【出会い】海の男

広田町で漁業を営んでいた葛西進(かさいすすむ)さんは、地震が来た直後「津波が来る!」と、とっさに沖へ船を出しました。
陸地から一気に沖に直進する船の前に、巨大なうねりが不気味にそびえ立ちました。
木の葉のように船は波に弄ばれた後、とてつもない勢いで波が「引き」始め、家屋や車と共に、多くの人間が流されてきました。
「ここに掴まれ!」あらん限りの力をふり絞り、流れて来た人達を抱え上げ自分の船に乗せました。
その間も、波は激しく襲い、テトラポットに船が激突しそうになりました。
「もう構わない、船はあきらめた!、とにかく人が助かればいい」無我夢中で操縦し続けました。
6人の人を助けることが出来ました。
しかし、「3人助ける事が出来なかった...」葛西さんはうつむきました。

広田小学校の避難所で、私たちに人なつっこく話しかけて来てくれた葛西さんは、冗談を言い周囲を和ませる存在。
モバイル・キックバックカフェの最初の常連さんです。
「あの時、助けた人もこの避難所にいるんだよね。で、会うたびに『ありがとうございます』って頭下げられちゃってさあ、毎日だよ。
『誰だって助け合うんですから、もういいですよ』って言ったってきかない(笑)だからさ、居辛くってさ」
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校舎の外でたき火をしながら、海を眺めるのが避難所の日課です。
「もうすぐ出来る仮設住宅は、居られて2年。その間に、もう一回、イチから始めて、家建てなければな!」
「もう海を見るのも怖くて嫌だ、という人もいますけど、また海で働くのですか?」と聞くと。
「どうしたって、ここ(海)でしかやってこなかったから、ここ(海)でまたやるしかないよね」








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このページは、KickBackCafeが2011年4月 5日 22:35に書いたブログ記事です。

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