きっかけは一冊の本
「こごえてる時に、ホッとあたたかいお風呂に入る感じですね」
モデル、そして女優として映画や舞台、CMで活躍する藤井かほりさんは、キックバックカフェ(以下KBC)に来る自分をこう表現します。仙川からほど近い某所にお住まいのかほりさん。KBCの常連です。
「ほら、あんまり寒くて、自分がこごえてるっていう感じすら麻痺するくらいのときって、ありますよね? そういうときにハァ〜って入るお風呂」
彼女にとってこの店は、お風呂にいかなくても暖まれる場所なんですね。
かほりさんとKBCの出会いは2001年の春。KBCがつつじヶ丘で営業していた頃のことです。きっかけはKBCオーナー・石井希尚(マレ)の本『この人と結婚していいの?』(新潮文庫)でした。
「本屋に別の本を探しに行った時、書棚に背表紙だけ見えていたその本のタイトルに惹かれて思わず手に取ったんです。そうしたら、その時の自分にピッタリの内容が書かれていて…まさにあの1冊が私を呼んだという感じですね…」
後日、当時悩んでいた恋人との関係について相談するためにやってきたのが、KBC初体験だったのです。
「カウンセリングを受けたあと『豆乳ラーメン』をすすりながら思い出したのは、マレさんの一言でした。『この店には放送作家をしている人も来るし、いろんな出会いもあるから、気分転換にまた遊びに来てくださいね』と言ってくださって…」
以来、彼女はKBCに足を運ぶようになったのです。
そして、KBCでの人との出会いや、交流を通して、仕事への取り組みに対する変化も与えられたそうです。
「役作りって、人間を理解するために掘り下げていく作業ですよね。そういう中で近視眼になったり、ストイックになったり、ピリピリしていたんですけど、そういうのから開放されたんです。ほら、広い視点を持てるようになったっていうか…焦らなくなりましたね」
『キックバック』とは「リラックスしよう」という意味。「自分と周りの人たちとを比べて、焦って、苦しんで。もう、悪あがきでしたね…」と語るかほりさんですが、その頃にKBCに出会い、余計な力が抜けてリラックスすることができたんですね。
一度は辞めようかと思った女優の仕事も、自分に与えられている役割なんだと再認識。
そして、仕事に対するスタンスも、いい意味でライトタッチに変わりました。
「自分が『演じ手でなければいけない』という執着はないんです。その上で、結果として与えられた女優という仕事に感謝していますし、与えられたその役を一生懸命演じていこうと思っています」
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